販促部 ヒロ伊藤です。
今日も、懲りずにまたBMW クラッシクボクサー OHVエンジンのお話です。
とっ! 言うことは新しいネタが今日もないということです・・・・
本当に、ネタで困っているときに助けてくれます。
OHVエンジン! と ピットマン いぶき!
で!
今日は、ミッション編です。
上が、ミッションケース
下の、左から ギアセレクター・インプットシャフト・カウンターシャフト・アウトプットシャフト
クランクからの駆動力をクラッチを経由して、インプットシャフトが受け止めます。↓
衝撃を吸収するための、スプリングダンパーが付いていて駆動力を緩和しています。
ただ、駆動を経由しているだけのシャフトですが、
ミッションをこのシャフトを入れて3本にしないと
シャフトドライブの回転方向が逆になってしまいます。
跨って
クランク左回転→インプット左回転→カウンター右回転→アウトプット左回転→ドライブシャフト左回転
これで、Rホイールが進行方向に回転するというわけです。
回転方向をみてもらうと
分かるように、縦に置かれたクランクシャフトが左回転・ドライブシャフトも左回転
全てが同一回転(左回転)で動いているので、このバイクたちはジャイロ効果によって直進安定性は抜群!
左コーナーは曲がりやすく、右コーナーはクセが出る
実に、おもしろい!!
話がそれたが
ミッションO/Hの続き
インプットシャフトをバラスのには、ごついスプリングを縮める必要があり
スプリングがバイ~ンて
飛んで来たら、怖いので
自作SSTを使って、プレスで押し隙間からクリップを外します
そして、各シャフトも
ベアリングプーラーなど、いろいろな道具を駆使して
ばらばらに
3つのトレーに、それぞれ分解したシャフトたち
上のトレーは、ごついスプリングの付いたインプット
下左は、カウンターシャフト 下右は、アウトプットシャフト
ここで、カウンターシャフトだけ分解してないじゃん
って、思いますよね。
実は、このシャフトは非分解でアッセンブリーパーツなんです。
交換できるのは、左右のベアリングのみ
わたくし若い頃なら、「人間の組んだものなら分解できる」って分解していたと思うけど
今は、「なんで、メーカーは非分解指定にしたんだろう」って考えるようになりました。
このミッションですが、一番左のヘリカルギア(5速)と一番右(1速)が
ミッションでは珍しくシャフトに圧入で固定してあるんですよ
だから非分解のアッセンブリーパーツにしているようです。
ばらしたりして、嵌め合いが狂いギアが空回りすると前に進まないですからね。
固定するのに、どんな圧入公差で圧入しているんだろうって思いますね。
普段ベアリングなどを圧入するときは100分の2~3(0.02~0.03)の公差で加工しますが
力のかかる部分で、空回りは絶対NGな部分
おそらく圧入公差も100分台ではなくて10分台だと思います。(0.1mmとか?)
わかりませんが・・・・
こんなきっつい嵌め合いどうやって、圧入するんだ?
きっと、あれです! あれ!
バナナで、釘が打てるやつ!! 懐かしいCMです。 覚えていますか?
バナナを凍らせ釘を打ち付けるやつ
ピットマンいぶきに、ここまでヒントを与えて
どうやって圧入する? って聞いたら
「凍ったバナナで叩いて、打ち込むんですか」だって(期待を裏切らない奴です)
おそらく液体窒素か?なんかでシャフトを
キンキン? コチンコチン? カチンカチン? 凍った表現はよくわからないが
まあ、バナナで釘が打てるぐらい冷やしてってことです。
冷やしばめ(冷却収縮)で、圧入するんでしょうね。
ホントかな~?
本当は、いぶきが正解かも・・・
まあ、ここは指示通り分解なしです。
ケースに圧入していきます。 シフトフォークも
組み立てて、ケースに取り付け
溝にシフトフォークが、はまるように↓
ここまで、できたら
次は測定
ケース合い面からのベアリングの出しろを測定↓
カバー側のベアリングの入る高さも測定↓
そして、シムの選択↓
クリアランスを100分台で調整します(0.00~0.05)
3本のシャフト、すべてで調整
選択した、シムをベアリングの上にのせて↓
カバーを、被せます。 これも圧入
シャフトを、動かしてみて
回転が重かったり、ガタがあれば
やり直し。 納得いく回転になるまで調整します!
そして最後に、アウトプットフランジの取り付け
取り付け
ここは、アウトプットシャフトのテーパー面とフランジのテーパー面で
固定する箇所なので、ナットの締め付けトルクは
驚愕の220NM
ここが空回りしても、駆動がシャフトに伝わらないので
慎重に締め付けます。 これが、一番大変かも 220NMって中々ないですよ!
そんなの、手で道具を固定できるはずがないので
ミッションケースごと移動させて、道具をバイスに固定して220NMで締め付けます。
ここで、前の写真を見てもらうと分かるけど
インプットシャフトの、キックギアの歯がもうNGでした。気が付きましたか?
1970年代のエンジンのパーツでも、パーツがまだあることは前回報告しましたが
このキックギアだけは、廃盤でした。 だから交換したかったけど処理だけして組みなおしました。
OHVでキックを使うことは、ほぼなく(使っても中々、エンジンをかけれない)
最後の最後の本当に緊急事態用だからです。
緊急事態
エマージェンシー
emergency
ピットマンいぶきに、この[emergency]のスペルを見せたら
エムジーミーチって読んでました。
(意味わからん!でも、期待を裏切らない奴です)
今日も邪魔しながら、
今シーズンに向けて一生懸命R6を直しています。
応援してあげてくださいね。
走りでは
期待をうらぎらないライダーですからね!
今シーズンに期待です。
それでは、また来週 ごきげんよ~