販促部 ヒロ伊藤です。
今回のお客様からの作業依頼は、クランクケースの分割と修理
担当の営業マンは、バイク博士川瀬マンでした。
2017年に日本モーターサイクル史を見て、にやけている川瀬マン↓
川瀬マンから「1KTのクランクケース修理お願いします」
ヒロ 「型式で言うな!!」
でも
わたくし、おっ! なつかし~と思っちゃいました!!
今時、1KTで通じる変態はどのくらい要るんだ?
1KTとは?
80年台からの2ストレプリカブームの火付け役のようなTZR250のこと
今回は、その1KT系統のクランクケース修理
真ん中のブツが、クランク・アッパーケース
ケースの周りには、ハンドドリルやリューターなど
とてもエンジンO/Hには、関係ないイカツイものばかり・・・
それもそのはず、今回の依頼は
↑この折れたシリンダースタッドボルトの摘出依頼。(2本)
まずは、折れたねじの真ん中に穴をあけたいのですが
これが大変で、ケースを机の上に置くと
シリンダーが前傾しているので、折れたねじが水平ではなく
ボール盤などが使用できない・・・
ハンドドリルで穴をあけるのも、ちょっとセンスレス・・
と言うかナンセンス・・・・
どうしようと思いながら、ケースをひっくり返すと↓
ナイスなネジ穴が!!
速攻で治具を作って、装着↓
これを、フライス盤のバイスに固定
なんとなく、ケースが水平になったような↓
なんとなく水平?ではダメなので
フライスのベットを動かし
ダイヤルゲージを使ってX軸・Y軸の水平を出していきます。
微調整は、ハンマーで↓
ここが一番キモになるので、時間がかかっても慎重に作業します。
水平がでたら、生きているネジ穴からボルトのセンターを割り出して
センターに穴をあけていきます。
下の写真で上の穴があけた所です。
この位の穴があけば、エキストラクターを使って折れたねじを
回せそうですが
経験上、この折れ方をしたボルトは回りません。
最悪なのは、エキストラクターなどの道具が中で折れる・・・・
もっと最悪なのは、かじったボルトのせいでケースごと割れる・・・
一応、ちょっとだけエキストラクターを試しますが・・・すぐやめて
どうするかと言うと、ねじを抜くのではなく
壊すといった方が正解かもしれません。
薄皮1枚になるまで、折れたねじを削って
そぎ落とす感じで取り除きます。
そうすると、こんな感じで↑
ネジの破片が出てきます。
全部、摘出できたらヘリサートを入れて終了です。
ヘリサートタップを入れるのも慎重に行います。
失敗は許されないですからね。
まっすぐ、タップが立てれているかもチェックしながら
そして、ヘリサートを入れて作業完了です。
これで、1KTの復活出来そうです。
ここのところ、同じ作業が不思議と続きました。
このクランクケースも
シリンダースタッドボルト摘出作業
しかも!
車種は、NSR250R
1KTにNSR、 2ストレプリカ時代に戻ったようです。
ちなみに、最初の写真で川瀬マンが見ていた
日本モーターサイクル史の中では↓
なつかし~
日本モーターサイクル史
わたくし
昔はよく川瀬マンと仕事もせずに、見ていたものです!!
最後に
今回もそうでしたが
この頃わたくし作業内容が変わってきた気が・・・・
まだ、こんなのも控えています!
わたくしと同じ年の1970年製・50歳のOHVエンジン
クランクとカムを外した所↓
本当に、作業内容が変わってきたぞ!!
それでは、また来週 バイバ~イ