測定のおはなし

販促部 ヒロ伊藤です。


わたくし、休日になると必ず何かバイクを触っているのですが
今日は、レーサーのエンジン作業


昨年、全日本で使用したR6のエンジン
今シーズンに向けて整備開始です。



O/Hをするのですが、そのバラス過程で色々計測しておきます。



燃焼室の気密のチェックから
レギュレーターでエア圧をどんどん上げていき
リークの度合を確認

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: IMG_2923.jpg

今回は、バルブ周りから少しエア漏れが確認できたので
ばらしたら、そこは徹底的にチェックします。




ヘッドカバーをはずしたら、タペットクリアランスを確認して
ついでに、バルブタイミングも計測します。

(わたくし、エンジンO/Hの時はどんなエンジンでも
バルタイ計測してからスタートしています。)

レギュレーションでカムスプロケットの加工は禁止されているので
バルブタイミングの変更はできませんが

カムチェーン・スライダーのへたりやヘッドGSを薄くしていることでの
バルブタイミングの遅れがどのくらいかチェックしておきます。







あとは、クランクの回転の重さがどのくらいかトルクレンチで
クランキングして重さを確かめておきます。

どこかにダメージがあるとこの時に重いので
この後の作業がより注意深くなります。
やっぱり、現状を知ることは大事だと思い作業しています


ここまで、確認したら
いっきに、バラバラにしますが

目視ではパーツ類をしっかりチェックしながらです。

細かいチェックは、洗浄してからになりますが



ミッションもはずれ、アッパーケースにクランクだけの状態



コンロッド・ピストン・リングもバラバラに

左に見えている薄いパーツが
重要パーツのメインメタルとコンロッドメタル



今度は、超重要なクリアランスの測定
そこは、どこかと言うと



コンロッドにメタルを組み込んで
規定トルクでコンロッドを締めたときの内径と
クランクのピン部の外径を測定します。


コンロッド↓



クランクのピン部


ここは、適正なメタルを組むことでクリアランスを確保して
油圧によりコンロッドはピンに対し接触せず
フローティング状態になっている場所
よって、ここのクリアランスはとても重要


そして、オイルで油膜を作っているので
油圧系にトラブルが発生したら速攻焼付く場所です。




そんな、重要なコンロッドメタルとクランクピンの

オイルクリアランスは0.04mm~0.06mm




0.001mmまで測定できるダイヤルゲージを使い
内径を測定





クランクピン部も0.001mmまで測定できるマイクロメーターで測定

測定結果をもとにメタルの厚みを選択していきます。




クランクジャーナル部のメインメタルも同様に測定
ケースを規定トルクで結合して計測です。

メインジャーナルのオイルクリアランスは、
0.020mm~0.044mm



でも、0.020mmとかって日常生活で必要ですか?


ちなみに、サランラップの厚みが
0.01mm位らしいです。






あと、計測するのが

ここの、真円度も3か所で測定します。

でも、ここ
どこかわかりますか?

ドライブスプロケットの裏側のベアリングが入る部分です。

もの凄く力のかかる場所で、ケースの剛性が弱いと歪んでくるので
しっかりチェックしておきます。



しっかり、測定して適正なものを選択
それらを、キッチリ組む
大切なことですね!



そして
今日は、ここまで
つづきは、次のお休みに作業します。


それにしても、片手でダイヤルゲージを持って
片手に携帯

0.001mm ・ 1000分の1mm ・ 1ミクロン ・1μ

を計測するより

ブログ用の写真を撮るほうが
しんどいわ・・・・



それでは、また 来週  バイバ~イ

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