販促部 ヒロ伊藤です。
前回までClassic BMWの
R60/5 や R90SなどのOHVボクサーエンジンのネタが続きましたが
今回はBMW S1000RRです。
に!してもBMWの作業多いですね。
2万キロ以上、走行したS1000RR
今回の依頼もカムチェーン周りのメンテナンス
エンジンを下ろさなくても車上で作業できるので、よく作業依頼が来ます。
チャチャっと、ばらしてチェックしていきます。
カムチェーンは?
やっぱり、こうなっていました。↓
カムチェーン周りといっても、どこまでかっていうと↓
これ全部交換です。
チェーンはもちろん、スライダー3個とタイミングギア3個
よくドライブチェーンは前後スプロケットと3点同時交換て言いますよね。
エンジンの中のチェーンも同じです。
これらのパーツを交換するだけですが
他のパーツなどを
no-Look で作業を進めることはしないので
カムをチェックして、あたりの強い部分などを修正します。
修正後↓ 上の写真との違いがわりますか?
タペットカバーも、距離を乗ると
このように、傷が入っていたりします。↓
これも、もちろん修正します。↓
DLCのかかったロッカーアームは、全然問題なし(モーマンタイ)
そして、
S1000のカムスプロケットは↓ 一本ボルトを外したところ
STDで長穴加工がされています。
よって組む時は必ずバルブタイミングの調整が必要になってきます。
そして、スプロケットを外すと↓
オイル通路の穴が出てくるので、カムの洗浄がらくちんです。
これは、メカニックにとってはうれしいですよ!
国産車では、こうはいきませんからね! 大体が両方にメクラカバーがしてありますからね。
この構造は、ありがたいですね。
洗浄などが、終わったら組んでいきます。
バルブタイミングを合わせる前に、まずはバルブクリアランスを調整します。
シクネスゲージを使って、計測していきます。↓
ただ、規定値が
IN 0.14~0.2
EX 0.20~0.26
だとしたら、最大値を狙うのか?最小値を狙うのか?ど真ん中を狙うのか?
どれがいいんだ?
わたくし、レースで組んできたエンジンの経験で数値を決めて
そこを、ドンピシャで狙うようにしています。
このS1000も、狙いとは違ったので、もう一回カムを外して
シムで調整します。
赤いやじるしの先の丸いのがシム
これです↓
このシムの厚みを変えることで、バルブクリアランスを調整するのですが
BMWは、このシムがなんと 0.02mmきざみでラインナップされているんですよ。
これも、メカニックにはうれしい限りですよ。
大体の国産メーカーは、0.05mmきざみですからね!
0.02mmきざみだと、微妙なところが狙えるのでGoodです。
後は、狙ったバルブクリアランスにしてバルブタイミングを調整して完了です。
今日は、0.02mmきざみのシムの紹介をしたかっただけなのに
長くなってしまいました。
S1000のバルブタイミングを調整するのにもコツがいります。
(油圧テンショナーの強さによってチェーンの張りが変わるから)↓
そうそう、シムの話に戻りますが
いぶきのR6↓
でも、国産でホンダだけ0.025mmきざみで用意してくれているんですよ!
だから、外径が合うものは
ホンダのシムを使用して狙ったクリアランスにしています。
R6もCBR系のシムが使えますよ!
クリアランスに関しては、レースだとマニュアルの数値から
外すこともあるので、クリアランスはナイショです。
でも、たかが0.05mmの違い思うかもしれませんが
良いクリアランスは絶対に存在しますよ!
いつも、そこを狙っています!
それでは、また来週 ごきげんよ~