シフト機構の方が・・・のおはなし

販促部  ヒロ伊藤です。

 

走行中、ギアが入りにくい
ギアが抜ける・シフトしづらい・シフトアップ・ダウンができない
ミッションに関してよく聞かれることです。

今回も、
「お客様からミッションが・・・・・ちょっと・・・・なんか変な気がする・・・・?」

そこで、これ↓ エンジン台につられてはいますが

ドライブスプロケットが付いたエンジンの左側
チェンジペダルも、こんな風に本来は車体についています。

このカバーを外すと

シフトするための機構が出てきます

やみくもにバラス前に

手で(道具を使っていますが)動かしてチェンジしてみます。

アップ・ダウンをスムーズにチェンジできるか確認します。


なんとなくは確認できたので
オイルパン・オイルポンプを外して、エンジンをひっくり返してみます↓

 


エンジンの中を覗くと↓


ミッション・シフトドラム・シフトフォークが
今度は、こっち側の作動も各ギアにシフトしてみてチェックします。

ざっとここまで、チェックして
何かが折れているとか壊れているっていう大きなトラブルは見当たりませんでした。

この状態からシフトドラムとフォークを外します。

カワサキはエンジンケースを割らなくても外れるので助かります

これも大きな問題は、無さそうです。

もっとシフトしている時の作動状態が知りたいので、ニュートラルのS/Wプレートを外し↓

もう一度車体に組み込んでチェック

最初の方の写真だとプレートが邪魔で見えなかった部分です。

走行中だと
今はギアが入っていて、チェンジペダルが元の位置に戻っている状態

ギアポジションのストッパーレバーが谷にいるので
ギアが入っている状態です↓

チェンジペダルを操作して、チェンジしようとすると↓


爪がピンに引っ掛かり、シフトドラムを回転させようとします。 
ストッパーレバーも山を越えて次の谷へ


これでシフトが完了

次は、リターンスプリングによって
ピンを動かした爪
クワガタみたいなやつ(この表現が一番しっくりくる)

が元の位置に戻ります。戻っている様↓

そして、正規の位置へ(シフトペダルを操作していない状態)↓


こうなれば、次のシフトの準備が出来ていることになります。

次のシフトも出来る

でも、この状態↓

これだと、今ギアは入っていますが
次のシフトが出来ないことに

この現象は、経験上だとダウンの時に多い気がします。

この他、ギアが入りきらなくてハーフニュートラルみたいになるときは↓

ペダルは正規の位置に来ていますが
シフトドラムが回りきっていない(谷に落ちていない)

このような、場合

ストッパーレバーのスプリングのテンション不足

ストッパー部のガタ↓


ただ、困ったことに
このパーツ達は廃盤パーツ
このSPがダメになると、抜けの原因にも

ちなみ最近O/Hしたレーサーでも↓

新品と中古では、こんなに違っていました。

話を戻して

爪の部分の傷だったり

稼働部の状態

それらを動かすスプリングの状態だったり↓

ピン部の状態↓


ピンは、埋まっている部分が多いので

ひっくり返して、フレッシュな方を使ってやります

このエンジンで、気づいたのは

先ほどのシフト機構を使わずに
手で直接、シフトドラムを回すとスムーズにチェンジしていきます


シフト機構を使用すると

中と半端な位置で止まることが数回ありました


スプリングのへたりや可動部の傷などが、複合技で原因だと思います。

シフトのトラブルは、多くの場合
ミッション(ギア)より機構側の事が多い気がします。

なかなか、目視だけだと分かりづらいですが

自分の手で、動かしてみて

ネガな部分を見つけていくこと、とても大切だと思います。

シフトのネガは、ライディングのリズムが大きく崩れるので

ここは、出来る限り良くしたいと思います。

ただ・・・・

ほぼ廃盤パーツなので

色々細工してネガを消していこうと考えています。

 

また、報告しますね!

 

もう一つ

今回はエンジンが車体から降りた状態での作業ですが

今日の内容は、車上(車体にエンジンが載ったまま)でも
可能な作業です。

それでは、また来週ごきげんよ~

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