オーバーサイズ・メタルのおはなし

販促部  ヒロ伊藤です。

何回か前のブログで、OHVエンジンのコンロッドメタルが焼き付いていて
普通ならクランクシャフトも、おしゃか・・・・・

その写真がこちら↓ 焼き付いたコンロッドメタル


傷の入ったクランクシャフトのピン部↓


国産車だったら、ここでアウト! ゲームセット!

しかし
BMWは、ここを研磨して
その分、厚いメタルを組んで修理できそうなのでメタルを注文したところで
作業がストップしていましたが

来ました!! わたくしのもとへドイツから↓


早速、封を開けて採寸してみます。

本当にオーバーサイズのメタルなのか確認のために
STDも一枚だけ取り寄せて計測してみます。
(わたくし初めてのことなので、正直まだ確信が持てていない)

奥がSTDメタルで、計測中なのが0.25mmオーバーサイズのメタル

大体の数字でよいので
使用するダイヤルゲージの最小単位は0.01mmのものを使用↓

確かに、0.12mmぐらい厚い。半径で約0.12mmだから直径で約0.24mm

本当に、オーバーサイズのメタルが存在しました!!

古いデーター↓ だったので心配でしたがよかったです

ここからは、上のエンジンデーターをもとに測定していきます。

まずは、オーバーサイズのメタルをコンロッドに組み込んで
内径測定をします。

しかし

ここで、コンロッドボルトの締め付けトルクがわからない・・・・

データー表のどこにも載っていない?
見つけられない?

でも、ないはずない!

 

で、よーく見なおしていたら、ちゃんと載っていました!!

でも、エンジン回りのトルク表なのに載っていたのは
たったこれだけ・・・・↓ 少なくね~? これじゃ~見つけれんわ~

しかも、単位が聞いたことのない↓


mkp
なんじゃそりゃ?
初めてみました。

でも横にポンド表示もあったので換算したみたら

1mkp=7.23ft・lb=1kgf・m
だったので、トルク表から
5kgf・m → 49Nm とわかったので
とりあえず49Nmで締め付けして内径の計測に戻ります。

ここで使用するダイヤルゲージは最小単位 0.001mmのもの
(最初のは、最小単位0.01mm)

針の左側の0は、データー表通り47.75mmに合わせています。

よって、計測結果から

青の丸
クランクピンの外径  47.75mm (-0.009 -0.025)
のマイナス公差の間でクランクピンを研磨してもらえば


赤丸の コンロッドとクランクのクリアランスが
規定値の0.023~0.069mmの間に入ることになります。

この測定データーと一緒に
クランクシャフトを加工屋さんへGOです。

47.75mm (-0.009 -0.025) へ研磨してもらいます。
ちなみに現状は48mm

でも
その前に少し問題が
赤いやじるしが研磨してもらいたいピン部
黒いやじるし、どう見ても研磨するのに邪魔

そこで、このクランクのウェブに引っ付いているウエイトをはがします。

どうやって?

ウエイトはピンでカシメられているようなので↓
ぶっ壊して、取りました。


これで、このクランクは精密加工に行けます。

ここで、しゃぼん玉の強みを一つ

今回のように、このような
クランクシャフトを指定した1000分台(0.001mm)の公差で
加工してくれるところ、あまりありませんよ!!


こういうことのできる凄腕の職人さんと
お付き合いさせていただいているのが
しゃぼん玉の強みだと思います。

 

そして、まだまだいっぱい出来る事ありますよ!

 

諦める前に相談してくださいね!

 

それではまた来週 ごきげんよ~

 

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