販促部 ヒロ伊藤です。
今日は、久しぶりにエンジンO/H
まずは、これ↓
見ての通り
タダの汎用旋盤
エンジンO/Hに、なんで旋盤?って思いますよね。
わたくし、結構O/Hの時に旋盤を利用します。
例えば、ピストンピン↓
ゼファー1100の物ですが、ここは熱に厳しいですね。
ピストンから抜くときも大変でした。
このままでは具合が悪いので
旋盤にセット
ピストンピンを回転させて磨いていくと
見違えるようになります
これなら安心して組み付けることが出来ます。
ピストンとも、しっかりフローティングになります。
ピストンピンだけでなく
こんなデカ物も
クランクシャフトのピン部もしっかりラッピングしていきます。
フリクションを少しでも減らすために手間を惜しまない
それがO/Hと分解組み立ての違いだと思っています。
カムシャフトなんかも↓
エンジンO/Hなのに、旋盤を良く使うでしょ!!
そして、ここからは旋盤の本来の使い方
ミッションなんですが↓
例えば、ミッションを組んで車両にセットします↓
ひっくり返しになったアッパーケースに、ミッションが収まった写真です。
上から見ると↓
上のシャフトがメインシャフト、下がカウンターシャフトです。
ここで、ギアの作動を確認するのは勿論
ギアのガタ(遊び)も見ていきます
例えば
ここの隙間↑
ギアを左に動かすと
かなりのガタですよね!
このガタ分、ギアが移動してからドッグが噛み合うことになります。
あと、遊びが大きいとギアが傾くので
それも具合が良くない
こういうのを、少しずつ詰めていく作業をします。
ドッグが噛みこむ方向にギアを寄せつつガタもなくしていきます。
その時に、必要になるのが調整用のシム↓
左が加工済みの物、右がSTD
これらの、厚み違いを使用することで
ドッグ(ダボ)の噛みこみを深くしてギア抜け対策をします。
このシムを加工するのに旋盤が必要になってきます。
STDのシム↑
1.8mm
治具にセットして旋盤で加工
狙いの寸法にしていきます。
完成
1.2mm
こんなのを作って、色々組み合わせることで
このミッションのネガな部分を無くしていきます。
エンジンO/Hなのに、結構
旋盤を使います!
量販店では、旋盤があるところが少ないと思いますが
しゃぼん玉には、あって良かったと思います。
大助かりです!!
リフターなんかも、旋盤で磨いたので
また組み付けるときにでも報告しますね
今回は、8個だけど16個あるときは大変です!
その時は、秘儀 「自分は機械だ」
を発動して、旋盤に向き合っています。
「自分は機械」「自分は機械」「自分は機械」と言い聞かせて
同じ作業を繰り返し繰り返しやっています。
それでは、また来週 ごきげんよ~